社会保険労務士法人クローバー

同一労働同一賃金への実務対応⑨

同一労働同一賃金に違反した場合

この法律に違反したからといって法的な罰則が与えられるわけではありません。

しかし、従業員から損害賠償を請求される可能性はあります。実際に従業員が待遇の格差が不合理であると企業を訴え、企業が敗訴した例もあります。

この場合、不合理に生じていた格差を補填するために、莫大なお金を一度に支払わなければなりません。経営に深刻なダメージを与える可能性があります。

格差を埋めるために正規雇用労働者の賃金や福利厚生制度を不利益に変更した場合は、正規雇用労働者が不利益を被ることになります。

同意を得られにくいこと、モチベーション低下につながることもあり、安易に正規雇用労働者の労働条件の引き下げを行うのではなく、非正規雇用労働者の労働条件引き上げの検討を行う必要があります。次回は、具体的な事例をご紹介いたします。