会社都合退職は安易には出来ない?

退職には大きく分けて自己都合退職と会社都合退職があります。

自己都合か会社都合かで手続きや給付関係、助成金受給の有無が全く異なります!

更に、従業業から下記のような事を依頼される事があります。

・会社都合扱いで退職したいと言われた。

・退職届を提出されて受理した後に、会社都合に変えてほしいと言われた。

安易に従業員の言うように手続きをすると、後で大変な事になります。今回、従業員の退職理由とそれにより会社が受ける影響等について解説致します。

自己都合退職とは

転職や結婚等で従業員側の都合で退職する事をいいます。また、従業員は会社の規定に従って、会社の指定する日(一般的には1カ月前)までに退職届を提出する事になります。民法では労働者が雇用関係を解除する場合には14日前までとありますが、現実的には、業務の引継ぎや昨今の人手不足から会社のルールに沿って退職される事が多いでしょう。

会社都合退職とは

会社都合退職は、会社側の都合や判断によって、従業員に一方的に退職を言い渡し、雇用契約を解除する事を指します。

また、会社都合退職で従業員を解雇する場合には、会社は従業員に対して30日以上前に解雇をする旨を通知するか、当日解雇であれば30日分の給与額に相当する額を支払いしなければなりません。

会社都合退職の主な理由

・倒産、業務縮小

・会社の業績不振による人員整理

・解雇等

自己都合退職から会社都合退職へ変更となる場合(行政判断)

労働者から自己都合退職の申出があっても下記の事項に該当する場合には、雇用保険の喪失手続きをする際に会社都合退職となる場合があります。

・いじめやハラスメントによる退職

・月45時間以上の過度な残業による退職

・会社の3分の1を超える離職

・待遇や労働条件が契約内容と異なる事による退職

・給与の大幅な減額による退職

・給与や残業の未払いによる退職

・会社の法令違反による退職

会社都合退職にした際の会社側のデメリット

会社都合による退職者を出した場合、会社側には次のようなデメリットがあります。

・一定期間は雇用に関する助成金の申請や受給が出来なくなる。

・不当解雇だと労働者から訴えられる可能性がある。

・解雇された元従業員から風評被害を受ける(会社のイメージに傷がつく)可能性がある。

従業員から会社都合退職扱いにしてほしいと頼まれる理由とは?

・雇用保険の失業手当の給付条件を良くしたいから

自己都合の場合には受給まで約3カ月かかりますが、会社都合では一週間を超えた期間から対象となり、約1ヵ月後には給付開始となります。また、給付日数も自己都合退職より会社都合退職の方が多いです。

・会社からの退職金を減額されたくないから

退職金制度のある会社では、退職理由によって退職金が異なる事が多いです。また、自己都合退職より会社都合退職(懲戒解雇等を除く)の場合に退職金が多くなるケースがほとんどです。

・転職時の支障になるのを防ぎたいから

自己都合だと本人の独自の判断ですので自分本位ととられる可能性がありますが、会社の業績不振等による人員整理であれば、働く意思はあったがやもえず退職せざるを得ないと働く意思を示す事ができます。

従業員に会社都合で退職したいと言われた時の企業側の対応方法

・基本的には要請に従う義務はないため、自己都合として手続きを進める

・退職届を受理している場合は退職理由を変更する必要はない

会社都合による従業員の解雇が禁止されているケース

会社都合で従業員を解雇する必要がある場合、不当解雇にならないよう禁止されているケースとは

労働基準法の場合

 ・業務上災害のため療養中の期間とその後の30日間の解雇

 ・産前産後の休業期間とその後の30日間の解雇

 ・労働基準監督署に申告したことを理由とする解雇

労働組合法の場合

・労働組合の組合員であること、労働組合の正当な行為を行ったことなどを理由とする解雇

男女雇用機会均等法の場合

・労働者の性別を理由とする解雇

・女性労働者が結婚・妊娠・出産・産前産後休業をしたことなどを理由とする解雇

育児介護休業法の場合

・育児休業・介護休業・子の看護休暇・介護休暇・所定外労働の制限・所定外労働時間の短縮等の措置、時間外労働の制限及び深夜業の制限について申し出たこと又は育児・介護休業等を取得したことを理由とする解雇

会社都合退職を行なう場合のデメリットや注意点

・会社の規定によっては退職金が膨らむ

・一部の助成金が対象外になる

・解雇予告手当金の支給が必要になる場合がある

・ブランド力や社会的信用に悪影響をおよぼす可能性がある

まとめ

経営不振や職務怠慢などといった理由で、会社都合で従業員を退職させてしまうと、助成金が一定期間受給出来なくなるばかりか、従業員からも不満からさか恨みをもたれるケースもあります。一時の経営判断ではなく、長期的なスパンで判断する事が賢明です。社労士は様々な雇用環境によって起こる事業主都合の解雇とそれによって起こった事例等を豊富に持つことが多いのでぜひ、社労士に相談をしてみてはいかがでようか。