同一労働同一賃金への実務対応⑧

正社員とそれ以外と、完全に二極化している場合の比較の考え方についてお伝えします。

メトロコマース事件(令和2年10月最高裁判決)で「退職金」について争われ、正社員との待遇差(契約社員に退職金がない)は「不合理でない」という会社に有利な判決となりました。

このような判断の理由として正社員登用制度について言及がありました。雇用形態が契約社員A,契約社員B、正社員となっており、正社員登用制度があった。

正社員へ登用される道があれば、登用されるよう努力すればいいので、多少の待遇差があっても不合理とは判断されない可能性がでてくるものと考えられます。

全員正社員にすることができればいいのですが、総枠人件費の問題もあり、現実的には難しいと考えます。その場合、ハードルの低い限定正社員制度(正社員に続く雇用形態)を設けることをお薦めしています。

単に同一労働同一賃金対策だけでなく、優秀・貢献度が高いパート・契約社員の定着にも寄与します。