アルバイトの失業保険手続きの流れとは?あわせて知りたい雇用保険の加入条件も解説

アルバイトやパートを雇った場合、その時間分の給与を支払えばよい、と思っている事業主の方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、昼間学生ではない、1週間の所定労働時間が20時間以上など、一定の条件を満たしたアルバイト・パートに対しては注意が必要です。

アルバイト、パートという呼び方をしているだけで、雇用保険の加入・喪失、離職票作成などは正社員と同様に手続きを行う必要があります。また、アルバイト、パートでも雇用保険に12ヶ月加入していると、失業給付の受給資格も発生します。

ここでは、正社員より勤務時間の短い臨時労働者が失業保険の対象となる条件や、失業保険手続きの流れを紹介します。さらに、失業保険とあわせて知りたい雇用保険の加入条件や、資格取得及び喪失の手続きの流れについても解説します。

失業保険を受給できるのは雇用保険加入者が対象!

失業保険を受給

ここでは、退職後の失業保険給付の概要や、手続きの対象となる条件を解説していきます。

失業保険は「雇用保険の基本手当」を指す

失業保険は、雇用保険における「基本手当」を指します。

この基本手当とは、雇用保険の被保険者が一日も早く再就職を目指せるように支給されるものです。事業主から提出された雇用保険被保険者離職証明書をもとに、支給額をハローワークが決定します。

正社員、アルバイト、パートなど雇用形態にかかわらず、条件を満たすと雇用保険の加入手続きをしなければいけません。雇用保険加入者が退職した場合には、失業保険給付が受けられます。

その場合、加入者が退職することになった理由(自己都合退職、会社都合退職など)によって、支給期間は以下のように変動します。これは、アルバイト、パートでも正社員と同様です。

自己都合退職の場合:90日~150日
会社都合退職の場合:90日~330日

雇用保険に12ヶ月間加入のアルバイトが対象

退職者が失業保険給付の支給対象となるには、雇用保険に12ヶ月間(または6ヶ月間)加入した実績が必要です。退職日からさかのぼり、各月で11日以上の勤務実績も必要なため、タイムカードなどで日数を確認する必要があります。

また、退職者本人が、「就職に対する積極的な意思といつでも就職できる健康状態・家庭環境などを持ち、積極的に求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない状態」であることが給付条件です。

ただし、妊娠や育児、病気、ケガなどで早期の再就職が難しい場合は、失業保険の支給対象にならない可能性があります。その場合は、退職後早めにハローワークで受給期間延長の手続きを行いましょう。

65歳以上は「高年齢求職者給付金」

平成29年1月1日より、65歳以上の方も「⾼年齢被保険者」として雇用保険の対象となっています。65歳以上の労働者が退職する際、いわゆる通常の失業保険は支給対象になりませんが、「高年齢求職者給付金」は支給対象です。

高年齢求職者給付金では、雇用保険の加入期間に応じて、30日分や50日分が一時金として支給されます。

なお、高年齢求職者給付金を受け取るには、以下の3つの条件を満たすことが必要です。

(1)65歳以上で離職時に雇用保険に加入している。
(2)離職日以前の1年間で、雇用保険の被保険者期間が6ヵ月以上ある。
(3)再就職の意思や能力を持ち、求職活動を行う「失業」状態にある。

雇用保険はさかのぼって加入することも可能!

さかのぼって加入することも可能

アルバイトやパートを雇ったものの、雇用保険の資格取得手続きを忘れてしまったということもあるでしょう。その場合、雇用保険はさかのぼって加入することが可能です。

雇用保険加入の資格取得方法や、未加入で放置してしまった場合の罰則例を以下で解説します。

雇用保険に加入するには

雇用保険は、2年前までさかのぼって加入できます。すでに退職していたとしても、離職日から2年前までであれば、さかのぼって加入することが可能です。

また、資格取得手続きをしていないにもかかわらず、事業主が雇用保険料を徴収していた場合は、2年以上前までさかのぼって資格取得ができます。

ただし、さかのぼる期間が長くなるほど、資格取得手続きの際に賃金台帳やタイムカードの確認書類が増えてきますので注意が必要です。雇用保険に加入するには、一般の正社員と同様に「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワークへ提出します。

企業が加入を怠ると罰則が科されるケースも

従業員の雇用保険への加入を事業所が怠ると、事業所に対して罰則が科されることがあります。雇用保険への加入は事業主の責任の一つです。そのため、加入条件を満たす従業員を未加入のままにしていると、以下の罰則対象となる恐れがあります。

資格取得に関する罰則:懲役6ヶ月以下もしくは罰金30万円(雇用保険法83条1号)

ただし、労働者が仕事を掛け持ち(ダブルワーク)し、他の勤務先で雇用保険に加入している場合などは、資格取得ができないので違反とはなりません。

まとめ

雇用保険に関しては、度々法改正が行われ手続き方法がどんどん変わっていきます。そのため、最新の手続き方法を把握していないと「前回と同じ方法で手続きを進めたのに、今回は何度も書き直しになってしまった」という事態になりかねません。

このように失業保険や雇用保険の手続きに悩んでいる場合は、社労士などの専門家へ相談してみてはいかがでしょうか。