長時間労働だけがうつの原因となるわけではありません

 平成23年12月に「心理的負荷による精神障害の認定基準」が定められて以来、職場で毎月80時間を超える長時間労働の結果、うつ病をはじめとする精神障害を発症した場合は自動的に労災と認定されることとなりました。このことから、会社では、長時間労働はリスクだという認識が深くなってきました(まだまだすべての会社で浸透しているとは言えませんが…)。いずれにしても、恒常的に長時間労働が蔓延している企業は、すぐにでも対策をとる必要があります。
 さて、労務管理上のリスクとして長時間労働がよく取り上げられるのですが、実際に長時間労働だけが、うつ病をはじめとする精神障害の誘因ではありません。心身に悪影響を与えやすいストレスの多い業務は、心理的な過重労働になります。例えば、「不規則な勤務」医療スタッフ、警察官等、「出張の多い業務」営業職、客先出張でのIT技術者等、「人間関係のストレスが多い業務」クレーム処理係、電話相談係等があります。
 これらの業務を担う方は、高いリスクを抱えているといえます。適度な休養や相談窓口の適切な運用(必要があれば外部相談窓口設置)でストレスを軽減し、メンタル疾患を防ぎましょう。