「日本年金機構の平成29年度計画」 適用・徴収対策を強化

 今月29日に開催された「社会保障審議会:年金事業管理部会」において、「日本年金機構の平成29年度計画」が提示されました。

 その中には、「厚生年金保険・健康保険等の適用・徴収対策」、「国民年金保険料収納対策」を強化する内容が含まれています。
 たとえば、厚生年金保険・健康保険等の適用・徴収対策として、次のような「適用調査対象事業所の適用の促進」を図ることとされています。

●適用調査対象事業所の的確な把握→国税源泉徴収義務者情報、法人登記情報、雇用保険情報については、法人番号を活用したシステム突合せにより、適用調査対象事業所の効率的かつ的確な把握に努める。また、国税源泉徴収義務者情報の取得頻度を上げるとともに、新規営業許可申請時に許可行政庁によって把握された加入状況に関して得られた情報を活用することにより、事業所に対する早期の加入指導に努める。
●職員による適用調査対象事業所の加入指導及び立入検査の実施→国税源泉徴収義務者情報により把握した適用調査対象事業所については、実態調査の結果を踏まえ、被保険者となるべき従業員を雇用する事業所に対して、文書や訪問などを組み合わせた効果的な加入指導を行う。
特に、被保険者となるべき従業員が5人以上である事業所に対する取組を強化し、早期の適用の適正化を目指す。
また、ハローワーク、許可行政庁等から社会保険加入状況等の情報提供のあった事業所について、速やかな加入指導を実施する。 など

 国民年金保険料収納対策としては、次のように「強制徴収の着実な実施」を図ることとされています。

●強制徴収の着実な実施→一定の所得があり保険料免除や納付猶予、学生納付特例の対象とならない方が、保険料を長期間滞納している場合には、全員を強制徴収対象者と位置付けた上で、所得や納付の状況などを踏まえつつ、最終催告状を確実に送付し、それでも自主的に納付しない方について、滞納処分を実施する。
特に、平成29年度においては、控除後所得300万円以上かつ未納月数13月以上の滞納者(注)に督促を実施する。 など
(注)平成28年度の強制徴収の基準は「年間所得350万円以上で未納月数7か月以上」。これが、平成29年度からは「年間所得300万円以上で未納月数13か月以上」に変更されるということで、報道でも取り上げています。なお、この所得の基準は、400万円以上→350万円以上→300万円以上と引き下げられています。

 この計画について、審議会が了承しているとのこで、この計画に沿った適用・徴収対策の強化が進められることになる見通しです。

詳しくは、こちらをご覧ください。
<審議会資料/日本年金機構の平成29年度計画(案)修正箇所対照表>
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/taisyou.pdf
<審議会資料/社会保険の適用促進対策について>
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/tekiyo.pdf