トラックドライバーの倉庫での待機時間の記録義務付け 国交省 改正省令を公布

 平成29年5月31日、官報に「貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正する省令(平成29年国土交通省令34号)」が公布されました。
 これは、トラックドライバーの長時間労働を改善するため、荷主の倉庫での荷積みや荷降ろしなどにかかった待機時間を、乗務記録に残すように運送会社に義務付けるものです。
 施行日は、公布の日から起算して1月を経過した日となっています。

※この改正の対象となる車両は、車両総重量が8トン以上又は最大積載量が5トン以上の車両。 

 国土交通省より、この省令改正の背景が次のように説明されています。
●トラック運送業は、国内貨物輸送の4割強を担う重要な産業である一方、平成2年以降の規制緩和後、事業者数は約1.6倍に増大し、全体の約99%が中小企業となっている。そのため、荷主に比べて立場が弱く、荷待ち時間の負担を強いられる等の取引環境上の課題がある。
 今般、トラックドライバーの長時間労働の要因の1つとなっている荷待ち時間の削減を図る上で、荷待ち時間を生じさせている荷主への勧告等の発動に係る確認の一助等とするため、貨物自動車運送事業輸送安全規則に定める乗務記録の内容等について、所要の改正を行う。

 国土交通省は、荷待ち時間を含む労働時間が過度に長時間に及ぶ荷主に対しては、積極的に勧告を行う方針のようです。
 
 昨日のトピックスでお知らせしたように、厚労省の時間外労働の罰則付きの上限規制について審議されている分科会では、自動車運転の業務に関しては、改正法施行日の5年後に適用するため、荷主を含めた関係者で構成する協議会で労働時間の短縮策を検討するなど、長時間労働を是正するための環境整備を強力に推進するよう求めています。
 各省庁が連携して取り組む「働き方改革」のひとつの施策となります。

 詳しくは、こちらをご覧ください。

国交省HP:報道発表資料
トラックドライバーの荷待ち時間等の実態把握や解消に向けて、荷待ち時間等の記録を義務付けることとします。
~貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正する省令の公布について~
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000128.html