在職老齢年金の仕組み

Question

来年(令和4年)4月から在職老齢年金の仕組みが変わると聞いたのですが、どのように変わるか教えて下さい。

Answer

現在、60代前半(60歳~65歳まで)の在職老齢年金は年金減額の基準額が年金と賃金の合計で月28万円と低いため、就労意欲をそぐとして問題視されてきました。今回の法改正で基準額が60代後半(65歳~70歳まで)と同じ(本年度額で47万円)になることで、令和4年4月からは、例えば特別支給の老齢厚生年金が基本月額10万円の場合、総報酬月額相当額(標準報酬月額+賞与年額÷12月)が37万円を超えなければ、年金の減額はなくなります。

また、同時期に下記の年金の法改正があります。
①繰上げ受給(早めに貰う年金)の年金減額率の引下げ(繰上げ1カ月あたり0.5%が0.4%)となります。現行では60歳まで繰り上げると年金額は一生30%減(0.5%×60月)となりますが、改正後は24%減(0.4%×60月)に緩和されます。

②現在は65歳以降に就労して厚生年金保険料を納めても、退職するか70歳になって初めて年金額に反映されますが、改正により1年間保険料を納めた実績に基づいて毎年10月に年金額が再計算されます。

③繰下げ(遅く貰う年金)の年金額は現在、70歳まで最大42%(0.7×60月)の増額ですが、法改正後は75歳まで最大84%増(0.7×120月)となります。

今回の法改正は高齢者の働く意欲を高める良い法改正ですね。このような制度を上手く活用し、有意義な人生を送れたら良いですね。