通勤手当 返金

Q
弊社では通勤距離に応じて通勤手当を支払っています。
 通勤距離30㎞での手当を受けている社員が、実際は徒歩で通勤できる所に住んでいることが分かりました。手当申請時に添付のあった住民票について確認すると「実家」とのことでした。手当を遡って返してもらうことはできますか?

A
遡って返してもらうことができます。

 通勤手当の不正受給となりますので、すでに支給済みのものは、民法703条の「不正利得の返還義務」により返してもらうことができます。さらに時効は10年(民法債権等の消滅時効)となっています。社員の生活や会社の管理責任もあり、一部返還にとどめるか、分割返済の検討は必要です。

今後このような不正請求を防ぐために、会社の規則に従って懲戒処分を行ってください。たいてい就業規則には「懲戒」の規定があり、会社に損害を与えた場合は懲戒処分とする旨記載されています(明記していない会社はぜひ整備してください)。

 会社としては通勤距離に応じて金額を決めていますから、社員が故意にやったのかうっかりミスなのか弁明(経緯報告書など提出)を聞いてから判断してください。うやむやにすると職場モラルの低下につながります。